今から2年半ほど前、2021年1月に同じタイトルでこんな記事を書きました。
「構造は至って単純です。
アルミの角パイプを溶接した骨組みをベースに作成した8枚のパネルを組み上げて、軽トラの運転席の上にリーゼントが張り出すお馴染みの形の箱を作ります。
各パネルは鋼板、断熱材、コンパネを貼り合わせて作成しています。
箱を組み上げた後、内装を整え、オプション類を設置して自遊空間「トラベルハウス」として仕上げていきます。
基本的構造は以上です。」
何とも・・・書いた当人ですら実際をイメージし辛い酷い文章です。<(_ _)>
改めて、推敲してトラベルハウスの製造工程をなぞる形でトラベルハウスの構造について書き直してみます。
トラベルハウスの基本のフレームはアルミの角パイプを切断、溶接して作ります。
アルミは軽くて頑丈、しかも加工し易いという特徴がありますが、溶接時に歪みを生じやすい厄介さがあります。
当社ではアルミ溶接を得意とする取引先に外注して歪みの無い精巧なフレームに仕上げています。
最も製造コストがかかる部分ですが、フレームは一番大事な部分なので拘っています。
このフレームにビスでコンパネを固定します。
コンパネがあることでハウス内部の壁へのビス打ちが可能となり、トラベルハウスの特長であるお客様によるハウス内の改装や家具の作り付けといったDIYをすることができます。
コンパネがハウスに占める重量比率は半分前後になります。「前後」と曖昧な表現になるのは、木材は同じ形状でも重量に個体差があるからです。
軽量化を第一に追求すれば木材の使用比率は少なくしてFRP素材等を利用した方が良いのですが、
トラベルハウスのトラベルハウス足る大事な要素であるDIYへの対応には欠かせない資材なのです。
さて、コンパネの外側には断熱材である厚さ20mmのスタイロをフレームの枠に沿って隙間なく嵌めこみます。
ハウス全面に断熱材を入れることで、ハウス内は自動車の車内と比べて格段に温度変化が少なく高い居住性に繋がっています。
さらに断熱材の外側に0.35mmのSGLカラー鋼板を貼ります。
トラベルハウスのボディーカラーです。
色はホワイト、シルバー、グリーン、ブルー、ブラウンの5色から選べます。
またオプションで面毎に色を変えることも可能です。
コンパネ内側の内装材もプリント柄を5種類から選択できるようになっており、こちらもオプションで壁と天井で柄を変えることが可能です。
これでフレームにSGL鋼板、断熱材、コンパネ、プリント内装材の4層から成るトラベルハウスのパネルが完成します。
なお、パネル製造の際にフレームが歪まないよう細心の注意を払っているのは言うまでもありません。
次が組立工程になります。
計8種類のパネルを3人がかりで組み上げます。
繋ぎ目の外側をアングルで固定すると外見的にはトラベルハウスの形状が出来上がります。
但し、この時点ではまだドアも窓も付いていませんし、パネルに埋め込んだ電気配線の端がコンセント等のために開けた壁の開口から出ている状態です。
ここからトラベルハウスの「ハウス」たる所以、まさに家づくりの内装と同じ内装、仕上工程になります。
床面にクッションフロアを貼り、ハウスの内側の接合部は見切り等の家屋建築と同様の資材を使って仕上げていきます。
ちなみに床に貼るクッションフロアも柄や材質で5種類の選択肢をご用意しています。
内装作業においてドアや窓、電灯、コンセントやスイッチ等の電気関係も順に取り付けていき、次第にハウスらしくなっていきます。
その間、ハウス外側では雨漏りしないよう、アングルとパネルの隙間を丁寧にコーキングします。
最終チェックを終えるとバンクヘッド前部のフラットバーに、当社が真心を込めて製造した証としてトラベルハウスロゴのカッティングシールと、
ドアの内側に製造番号シールを貼ってトラベルハウス完成となります。
いかがでしょうか?
2年半前の「トラベルハウスの構造」に比べて製造の過程とハウスの構造についてイメージしていただけましたでしょうか?
最後にもう一度2年半前の文章に戻らせていただきます。
トラベルハウスには画期的な技術はありません。
トラベルハウスには斬新なアイデアが盛り込まれていることもありません。
増してや、トラベルハウスを守る製造上の知的財産権は何もありません。
なので、その気になれば誰でも同じようなものが作れます。
ただ、当社には「同じようなもの」は作れても「同じもの」は作れないはずという自負があります。
それは図面、数字、文字では表し切れない当社のトラベルハウスへの「思い」と「拘り」なのです。
是非、全国の販売店や、関西の方は三田の弊社事業所にお越しいただいて実物に接してみてください。
当社の「思い」と「拘り」を現物で実感していただきたく、心よりお待ちしております。